住まいの今と未来をつたえる

マネー

戸建て住宅の修繕・リフォーム費用はどのくらい?考えておきたい税金以外の維持費

2019.01.23


一戸建て住宅では、住宅購入の際にかかる費用だけではなく、長く住み続けていく間に発生する維持費も考える必要があります。固定資産税や都市計画税などの税金から、住宅にかける保険、住宅の外壁修繕にかかる費用、内装の改修にかかるリフォーム費用まで、いつまでも住み心地がよい住まいを確保する上で、維持費がかかるのはどうしても避けられません。維持費にもさまざまなものがありますが、今回は、税金以外に発生する維持費についてくわしく見てみましょう。

戸建て住宅にかかる維持費の種類


マイホーム購入から生涯を通してトラブルのないように資金を管理していくため、そして長期に渡って一戸建て住宅の質や住み心地を維持するためには、やはり維持費についてしっかりと知っておくことが必要ではないでしょうか。
一戸建て住宅で発生する維持費の種類にもさまざまなものがありますが、大きく分けると、税金・保険費用・修繕費用の3つの維持費があると言われています。今回は税金に関しての細かいお話は省略しますが、資産のひとつでもある一戸建て住宅では、毎年、固定資産税と都市計画税、保険費用が発生することは覚えておきましょう。また、保険に関しては一戸建てを所有する場合場合万が一の場合の対策として、火災保険や地震保険などの保険に加入することとなります。保険費用に関しては、保障内容・保障期間・保障する建物の素材や広さなどの条件によっても異なると思いますが、火災保険では簡単なものだと年間5千円程度、保障内容の充実したものだと年間3万円程度が相場となっています。しかし地震保険の場合は、大地震のリスクが高いとされる地域などでは年間7万円程度の費用となることもあるようです。いざという時のために重要な保険になりますので一概に大きな負担とは言えませんが、一戸建ての維持費としてあらかじめ考慮しておきましょう。さらに、一戸建て住宅で計画的な積立てが必要となるのが、家のメンテナンスやリフォームをするための修繕改修費用です。この修繕改修費用には、住宅の外装の修繕費用と内装のリフォーム費用の大きく分けて2種類の費用があり、リフォーム工事などの規模によっては費用がかさむ可能性もありますので、住宅購入後の早い段階から、計画的な修繕改修費用の積み立てや資金運用を心がけておくと安心かもしれません。

外装の修繕にかかる維持費


一般的に、外壁塗り替え工事や屋根の補修工事などに代表される家の外装のメンテナンスは、およそ10年から15年に一度の頻度で必要になるとされています。外壁や屋根の塗装などの比較的簡易な修繕をする際にも、数十万から200万程度のまとまった費用が必要になるため、将来必要となるだろう維持費をあらかじめ考慮しておくことが大切です。さらに、修繕工事の際には、外壁や屋根に使われている素材やデザインによるメンテナンスのしやすさなどが、維持費に直接影響を与えることもあります。これから新築物件の購入を検討している方は、立地・価格・間取りなどのマイホームに望む基本的な条件のほか、耐久性やメンテナンスのしやすさまでを考えた素材デザインなども考慮しながら物件を検討してみるのもおすすめです。また、実際に目に見える外装部分のメンテナンス以外にも、建物自体の耐震補強や断熱・気密対策などの建物の外壁内部や構造における修繕や改修をする際の費用についても考慮しておく必要があります。とくに、築年数の経った住宅などでは、大規模な工事が必要とされることが多くなりますので、数百万円から1000万円程度のメンテナンス料がかかることもあります。中古住宅にお住まいの方、比較的築年数が古い一戸建てにお住まいの方などは、計画的な積み立てを心がけておくと、後々役に立つことでしょう。さらに、庭・塀・車庫などがある一戸建ての住宅の場合では、住まいとして使っている建物の維持費用に加え、これらの設備のための維持費用も発生します。また、場合によっては、台風などの自然災害によって緊急を要する修繕費用が必要になる可能性もありますので、いざという時を想定して、毎月1万円程度からでも修繕費用として貯蓄をし始めておくと安心かもしれません。

内装リフォームにかかる維持費


住宅には、外装塗り替えなどの外装修繕にかかる維持費のほか、壁紙や床材の張り替え・水回り設備のリフォームなどに代表される内装の修繕改修にかかる費用についても忘れてはいけません。内装リフォームには、経年劣化によるダメージの回復を図る原状回復リフォームのほか、より快適な暮らしを実現するために取り入れられるリフォーム、ライフスタイルやライフステージなどの変化に伴い必要となるリフォームなどがあります。現状回復リフォームとしては、壁紙や床材の張り替え・床や壁の補修・網戸や窓ガラスの交換・水栓交換などがあげられ、もっとも広く行われているリフォームと言えます。このように、内装の一部分だけを補修・改修する場合は、費用もそれほど大きくはならず、数万円から数十万円程度でおさまるケースが多くなるでしょう。また、最近増えてきているより住みやすい環境作りのために行われるリフォームでは、和室のリフォーム、照明器具を埋め込み型の照明に変更するリフォームなど、デザイン性と個性に富んだリフォームがメインとなりますが、内容と規模によっては、料金がかなり膨れ上がる恐れがあります。高齢の家族のためにバリアフリー化や手すりの設置をすすめる、家族メンバーの増減を背景に家の間取りを大々的に変更するなどという、家族の変化に伴うリフォームも近年増えてきており、家の内装イメージそのものががらりと変わるような大規模なリフォームをする際や、キッチンや洗面所などの水回り設備を一新する際には、やはり数百万円単位のかなり大きなメンテナンス料が必要となります。そのため、前もって維持費としての資金を準備しておくと安心でしょう。また、大がかりなリフォームやリノベーションでは、住宅の内部構造なども費用面で大きく影響してきますので、現在お住まいの住宅の構造などをしっかりと把握しておくこともおすすめです。

まとめ

管理組合による計画的な維持管理がされるアパートやマンションなどとは違い、一戸建ての住宅では、個人での維持管理が必要不可欠となってきます。そして、たとえ新築で建てた住宅でも、時間が経つにつれ、どうしても経年劣化でさまざまなところに傷み雅出てくるようになってしまいます。とくに、一戸建てにおいては、外壁や屋根などに多く見られる、経年劣化や自然災害による傷やダメージを放っておいてしまうと、雨漏りや防水性能の低下、室内の結露や断熱性能の低下などへとつながり、毎日の生活の支障となるだけではなく、時には健康被害を引き起こしてしまうことにもなりかねません。また、10年単位などでの定期的な修繕・リフォームを怠ると、後々、緊急な修繕工事が必要となったり、思いもよらない大きな維持費用が発生してしまう原因になってしまったりすることもあるかもしれません。長い間、家族が安心・安全に暮らせる住まいを維持していくためにも、住宅の外装の修繕や内装のリフォームなどにかかる維持費について、日頃からぜひ意識して準備に取り組んでおくことが大切です。数年後、数十年後と、家族と家族が笑顔で暮らす住宅両方の将来を見据えた計画性のある資金運用を心がけ、快適に暮らせる家作りを目指していきましょう。

タグ TAG